環境調整で不登校を解決 | 応用行動分析で行動パターンを変えよう

行動分析学によるアプローチ

 奥田健次さんは,不登校に対して学校と家庭の環境の中にどちらが良い条件が揃っているのか,という計りにかけたとき,家庭に良い条件が揃っていれば,不登校になって当然だというスタンスを取っています。ちなみに彼は,専門家が言う「心」の中身よりも,条件が行動を決めると捉えています。ちょっとここまで言うとあまりにも単純化し過ぎと思われるかも知れません。

 しかし、これは不登校に対する従来の「ひたすら受け入れなさい」という方針とは全く異なるアプローチです。応用行動分析と呼ばれます。不登校児の家庭生活を快適なものにし過ぎていいのかという事は念頭に置いてもいいでしょう。
 応用行動分析の背後にあるのはオペラント条件付けという考え方です。Aという行動をとると、後でいいことが待っています。Bという行動をとると、後になっても特にいいことはありません。この時、人間はAの方の行動をとるようになります。

 このように「その後にいいことがある」という状況を作る事によって望ましい行動を身につけさせようとするのが応用行動分析です。

 家庭にいるとどんなイイコトがあるのかというと,好きなときに好きな食べ物や飲み物を食べたり,飲んだり出来る,テレビ・パソコン・ケータイ・ゲームやりたい放題,親と一緒に買い物できる等です。学校にいたら,好きな先生も友達もいれば,嫌な先生もいれば,意地の悪い子 もいます。家庭と学校とどっちが快適な条件かというと,家庭になります。

 いわば、家庭にいれば、いいことがあるという状況です。確かにこんなにいいことがあれば学校に再登校するという意欲は減退するでしょう。

家庭で得られる快適さを少なく

 そこで,家庭で得られる快適な条件をゼロにしてしまいます(ただし、「罰」を与えてはなりません。家で叱責して不愉快な場所にして学校に追いやろうとする方法は決して成功しません。単に快適過ぎる状況を解除するというだけです)。
 逆に,学校に行ったら~をゲット出来るという出来高制にして,欲しいものを手に入れるように環境を変えてしまいます。この環境にさらされた子供は,あっさりと登校したそうです。

 このような一種の環境をちょっと変えるだけで解決してしまう場合もたくさんあるでしょう。

 その一方で、ある程度の充電期間があり安定してからこのアプローチを用いた方がタイミングがよいケースもあるでしょう。この方法は行動療法の一つですが,たとえ行動療法でもスモールステップの法則で進めることになっており,不安の強さによって(不安回想表を作り),徐々に慣れていくという方法を取ることもできます。例えば,学校のない日に親子で学校に行く,次に一人で行けるところまで行く・・・(その都度ほめる,好きな物をあげる,ご褒美シールをあげる等)。
 学校に行けば、誉められてばかり、という状況設定になります。

 このように、問題行動を叱るのではなく、「伸ばしたい行動に強化子(平たく言えば、ご褒美です)を与える」というアプローチと言えます。