小児うつ病 | 子供のサインを見逃さない

子供のうつ病は,あまり認識されていません。また診断も大人とは違って難しいのです。
 しかし,子供のうつ病は存在します。それは,大人と違っています。
 こんな特徴があげられます。
(これは一般向けにわかりやすいように,ミッチ・ゴランド&スーザン・ゴランド著「愛する人がうつ病になったとき」加藤敏監訳林暁子訳星和書店,より引用します。)
・人や動物,物に対して攻撃的になる。
・破壊的なクラス内での行動,あるいは成績の変化
・かんしゃく
・不安。特に親に対する分離不安。
・はっきりとした原因のない,不調。
・さまざまな学習障害(特に注意欠陥障害と関連づけられる衝動や不注意)

 思春期の子供は,反社会的な行動に出たり,薬物依存,摂食障害などが起こることがあります。特に思春期に愛情の喪失体験が強い要因となるかもしれません。(例えば,仲間から無視される,いじめ,家族の死など)
 自殺企図や自殺ということになるまで周囲には,わからないかも知れません。しかし,本人は何らかのサインは送っているので,早期発見が大切です。

思春期の子供との共有体験を持つ

 親があまりにも忙しく,子供と一緒の時間を取ることが難しいかも知れません。しかし,多感な年頃の子供をもつ親御さんは,休みの日に共に何かをするという体験をしてみてはいかがでしょうか。
 これは不登校の少年のケースですが,母親がパートの休みの日に一緒に,親子でパン作りをしました。その少年は母親とはあまり口を聞かなかったのですが,パン作りの時間はとても楽しんでいました。
 また,自傷行為や自殺企図を繰り返した少女は,両親で一緒に近場にドライブに行きました。父親が釣りを教え,親子で釣り大会をしたそうです。
 どちらのケースも,子供とは面接をしなかったのですが,親が関わり方を変えるだけで子供は救われるものだと言っていいと思います。
 「ウザイ」と言われるかも知れませんが,思春期の子供は,自律と依存の葛藤の中で生きています。
 どうか,一緒に買い物に行ったり,お菓子を作ったり,カラオケしたりという時間を少しでも作って下さい。

 ただし、DSMⅣの編集責任者フランシスは、「子どもの欝病」診断が濫発されて子どもに抗うつ剤が濫用されるような事態が来る事を憂いており、DSM-5がこのカテゴリーを独立させたことに対して強く批判しています。「子どもの欝病診断」が流行して過剰診断されることを危惧しているのです。
 上記の気になる徴候には気をつけた方がよいと思われますが、それがただちに「小児うつ病」とレッテル貼りをしてしまった方がいいのかどうかは慎重に判断するべきでしょう。