リストカット等の自傷行為は最新基準で病気とされる可能性が出てきました

自傷行為は診断分類体系の次期改訂で正式診断名がつく可能性

 日本では、以前からリストカットあるいはリスカという呼び名で知られています。カッター・はさみなどで自分の手首を切るなどの方法で自傷する行動です。
 2013年に19年ぶりに国際的な精神疾患の診断分類体系であるDSMが改訂され、DSM5となりました。このⅢ「新しい付録とモデル」に「今後の研究のための病態」という項目があります。次の改訂で正規の診断名に「昇格」するかどうか検討中の候補とされているものです。その中の最後に挙げられたのが「非自殺的な自傷行為」です。
 その内容は、まさにリストカットなどの自傷行為を扱うカテゴリーです。

リストカットなど自殺を目的としているわけではない自傷行為

その行動が死を目的としている場合は自殺行動障害と呼ばれます。しかし、その行動の目的が、解放感を経験したいという場合が多くのリストカットなどに当てはまる「非自殺的な自傷行為」です。

 リストカットなどの多くの自傷行為は、習慣化しており、このような場合、クライアントさんは、「自傷行為は,短期的には「死」まで至らない」ということは学習しています(しかし,自傷行為が持続し,成人になって自殺企図に至るリスクは大変高いと警告されています)。

自傷行為の種類

 さしあたり、「非自殺的な自傷行為」には次のような種類の行動が挙げられています。

 非自殺的な自傷行為の基本的特徴は,自分の体の表面への浅いが痛みを伴う損傷を繰り返すこととされています。また自分を傷つけているとわかっていても,衝動的に一種の「楽しいこと」として体験されるという特徴があるとされまています。

  • リストカット
  • 皮膚を熱傷を負わせやけどをさせる
  • 頭を壁にぶつける
  • 抜毛症-自分の毛をぬくという自傷行為であり,くつろいだり,気晴らしをする時によく起こる。
  • 常同症の自傷行為-自分を叩いたり,自分を噛んだり,頭を打ったりする。発達遅延と関連している。
  • 皮膚むしり症-主に女性に起こる。顔面や頭皮の見苦しいか傷のある領域をかきむしる。

 このように色々な方法が挙げられていますが、ただし、「その行動が社会的に認められているもの」は「非自殺的な自傷行為」とみなされないとされています。例えば、ボディーピアス,入れ墨,宗教や文化儀式の一部に見られる自分を傷つける行為などは問題にされていません。また、かさぶたをはがしたり爪を噛んだりするのみであれば広く見られる行動であり、この診断は当てはまりません。

自傷行為を繰り返してしまう苦しみ | 精神医学的研究が進展する可能性が

 この診断名が正式のものとなれば、リストカットなど自傷行為の繰り返しに苦しんでいるクライアントさんやご家族にとって、助けとなる多くの研究が現れるだろうと思われます。