リストカット・自傷の危険性 | リストカットの動機と自殺リスク

20~30才が最も深刻になりがち

 リストカットなど本格的な非自殺的自傷行為が始まるのは日本では12,3才からと言われています。 米国では「自殺企図は女性の方が多く自殺に至るのは男性の方が多いが、非自殺的自傷行為者は男女ほぼ同じ」とされていますが彼らはその事実を隠したがるので実態はまだ正確には分かりません非自殺的自傷行為の年齢による変化
 10代始めという例もありますが、この年齢では、痛みで止めてしまう事も多いようです。
 「始めてリストカットを行ったのは高校生の時」という人も少なくありません。周囲の模倣で始まる事が多いとされますが、日本では一割程度です。
 20~30才が最も深刻になりがちな年代で、入院治療が必要になる程深い傷をつける場合もあります。
 30代以降になると減少します。
 米国の統計では、非自殺的自傷行為の出現は、男女比はほぼ同じとされています。ただし、リストカット経験がある人がその事実を隠したがることも多く、正確な実態をつかみきれているのか不明です。

 このような20~30才をピークとするカーブを描くのは、この年代は周囲の対人関係が複雑になる年齢だからです。
 リストカットを含む自傷行為のきっかけは対人関係の問題が多くを占めます(4位は仕事の問題、5位は精神疾患によるものです)。以下、統計的には自傷行為の背後に被虐待体験が多いというものがあります。ただし直線的な因果関係とするのはますます悲観的材料になるので好ましくありません。

リストカットと自殺の関係

 自死に向かう力は「自覚せずに苦しむ事になる道を選ぶ」(後で心身に負担になるとわかりきっている選択肢を選ぶ)「体をこわす習慣」(これらは、自己敗北的行為とか
間接的自傷行為などと呼ばれるものに過ぎません)よりリスカ(自傷行為)の方が強いです。痛みを繰り返す事によって自殺の抑止力(きっと痛いだろう)が弱まり、痛みが平気になる事によって自殺の危険は高くなります。リスカ経験者の自殺率は通常より遙かに高くなります。死への決意の強さという一点でリスカと自殺とは一線を画しますが、自殺に伴う痛みへの恐怖が段々薄らいでしまうのです。
 これこそ、リストカットが放置できない理由です。自傷行為や自殺未遂を繰り返すと、「自殺力」を高めてしまう、と言ってもいいでしょう。

 自殺のリスクが最も高いのは「過去に自殺を経験した人」です。しかし、リストカットを経験した人も、そのような経験がない人々に比べると自殺率が高くなっているという統計があります。
 今、死ぬつもりはなくてリストカットしていても、痛みに対する恐怖感が次第に薄れてゆき、いつしか自殺の垣根を低くしてしまう結果になりかねないことは十分注意が必要です。