パニック障害の概要 | 脳内物質やうつ病との関連など基本的特徴はこれ

パニック障害の原因は脳内物質のアンバランス

 パニック障害は心や性格に原因のある病気ではありません。100人に2~3人がかかるといわれる脳の病気です。
 その原因は決して心の弱さから来るものではなく,脳内伝達物質-ノルアドレナリン,セロトニン-の不均衡から起こるものと考えられています。
 脳の中には、脳内神経伝達物質といわれる物質が数種類あり、外界からの刺激に対応して、さまざまな働きをしています。

 パニック障害が起こる原因は、恐怖や不安に関係している神経伝達物質「ノルアドレナリン」と、興奮を抑える神経伝達物質「セロトニン」とのバランスが崩れるためと考えられています。これについて詳しいことはわかっていませんが、脳内のセロトニンが増加する治療を行うと、パニック障害の改善がみられることから推測されています。
 

パニック障害の発症率と経過-青年期がピークで加齢に従って緩和

 日本人の100人のうち,2,3人が発症するとされており、決して珍しいものではありません。欧米諸国でもパニック発作が1年継続する人は2~3%と似たような発症率です。また、発症は2:1で女性の方が多いとされています。
 アメリカでは,パニック障害の発症年齢は20~24歳がピークであり,45歳以降の発症はまれであるとされています。
 45歳以上は,自律神経反応の「鈍化」により,有病率が低くなります。アメリカでは64才以上の有病率は人口のわずか0.7%です。
 この病気で悩んでいる方には「年齢が上がるに従って自然に症状は軽くなってゆく」ことを是非覚えておきましょう。
 このように、パニック障害に関する将来の見通しを悲観的にならないようにしていただきたいと私達は願っています。

パニック障害とうつ病との併存

 このように申し上げるのは、パニック障害があることを悲観視して鬱状態になってしまう場合があるからです。もちろんパニック障害とうつ病とは異なる病気ですが、パニック障害によって悲観的になり気分が落ち込むのはある意味自然な気持ちの流れです。
 成人と同様に青年期のパニック障害は慢性的経過をとる傾向があり,しばしば他の不安障害群(特に広場恐怖),抑うつ障害群,双極性障害群との併存がみられます。
 うつ病との生涯併存率はパニック障害を持つ人の,10~65%です。役1/3は抑うつがパニック障害よりも先行し,残り2/3は抑うつとパニック障害が同時または後に起こります。
 

パニック障害よりも予期不安の方が広範囲のマイナスをもたらします

 たとえ短時間でもパニック発作の苦しさは、体験した人でなければ理解は難しいでしょう。しかし、一方で、一つ一つのパニック発作はいつまでも続く物ではなく、命にかかわるものではないこともまた事実です。むしろ「また起こるのではないか」という予期不安が、その人の行動を制限してしまうことの方が大きな不利益を引き起こしている場合がみられます。

 予期的不安から行動の制限が起こります。そのため社会的な行動に多くの制限が加わり,十分な能力を発揮できません。

 例えば乗り物に乗れなければ,学校行ったり,会社に行くことが困難になります。常に予期不安に悩まされ続けていると,学業や仕事に多大な社会的,経済的損失が起こります。

 パニック発作を抑えることも大切ですが、「パニック発作にまつわる予期不安」を緩和することが重要な課題となります。