パニック障害の原因 | うつ・ストレス・予期不安に用心が必要です

気質的要因-うつ病・アルコール依存・不安に陥りやすい心理傾向と関連

 複数の遺伝子が,パニック障害と関連としていると思われますが,決定的遺伝子は不明です。

 ただし,パニック障害の患者の家系にはパニック障害やうつ病、アルコール依存症などの発症率が高いとされています。不安症候群や抑うつ障害群,双極性障害群の既往歴のある親がいるとパニック障害への危険性は高くなると考えられます(喘息のような呼吸器系の障害もパニック障害と関連すると考えられています)。

 うつ病やアルコール依存症も根底には不安が関係しています。ですから、「不安を持ちやすい体質」が何らか関連しているのではないかと考えられます。

 否定的感情と不安への過敏さは,パニック発作出現の危険要因です。と同時にこの性格傾向は「またパニックが起こってしまうのではないだろうか?」という予期不安を増大させます。

後天的な環境要因-ストレスが引き金に

 ほとんどの人が,最初のパニック発作の前2,3ヶ月間に強いストレスを経験しています。例えば,家族の死や対人関係でのストレス,処方薬における不快体験,病気や身体的健康に関するストレスなどです。また,小児期での虐待も関係しています。恐怖期間の経験(すなわち症状限定的発作)はその後のパニック発作の危険要因である可能性があります。喫煙やカフェインの摂取も影響しています。

パニック障害の原因は、遺伝体質+ストレス

 ストレスとの関係は明らかにはなっていませんが、体質に加えストレスの多い環境や幼児期のつらい体験などの後天的な要素により発症するのではないかと考えられています。

 ただし、「幼児期の体験など過去のトラウマや性格的なもの」に注目する考え方は最近では少なくなり、発症や悪化の誘引としてストレスなどが関係していることは否定できませんが、根本的な原因はあくまでも脳内不安神経機構の異常という生物学的なものだろうという研究が進んでいます。

 ストレスで壊した胃を薬で治療するように、パニック障害も「性格を根こそぎ変える」というスタンスではなく、「症状を抑える」という方針で治療するのが対処としては有効であると考えられています。

自殺への誘惑に気をつけましょう

 自殺の危険性は高いです。合併する病気,小児期の虐待体験など自殺の要因からして自殺企図や自殺念慮をいだく人は多いです。

 パニック障害は、パニックが日常生活に与える影響を過大評価することが、日常生活に支障をもたらします。このように、「ものごとを過剰に悲観視する傾向がある」ということは念頭に置いておいた方がよいでしょう。