うつ病とは何か

 
 うつ病はれっきとした病気です。糖尿病や胃潰瘍・心臓病と同然のちゃんとした病気です。
 だから,ちゃんと治療を受けましょう。
 こんなふうに書かなくても,今や市民権を得ている病気ですから,偏見や差別は昔に比べたらなくなっていると思います。
 しかし,精神科疾患は,常に白眼視されていました。身体疾患に比べて,病気による社会的孤立は今もなお続いていると思います。
 だが,やはり病気であることに変わりないのです。

うつの連続体-悲哀の感情からうつ病まで

 人生には山あり谷ありですから,喜びも悲しみも当然誰しも経験します。
 どこからが誰もが感じる悲哀なのか,あるいはうつ病なのかの線引きに決定的な要因となるのは,「自分の惨めさや落ち込みについて繰り返し気にかけているかどうか」-これを反芻といいます-であると言えます。
 つまり,落ち込んだ状態から立ち直ろうとするとき,自分自身に,「なんて惨めなんだ,この先真っ暗だ」という言葉を繰り返していたら,回復に至らず,病の底に陥ってしまうのです。
 こうした反芻の多さは,様々な要因が絡んでいますが,はっきり言えることは,うつ病だとこの言葉に立ち向かえ無いのだと言うことです。
 誰もが経験するなる落ち込みは,時間と共に別の感情へとシフトします。しかし,そうした感情がシフトするエネルギーが枯渇した状態が,うつ病なのです。心身共に底付きになっています。
 ですから,治療の早期はじっくり休養をとり充電することが大切です。

うつ病診断シート | あなたが改善したい点は何ですか?さあ、セルフチェック

 一般向けにわかりやすいように作成されたミッチ・ゴランド&スーザン・ゴランド著「愛する人がうつ病になったとき」加藤敏監訳林暁子訳星和書店から引用します(アメリカ精神医学会の診断マニュアルを元にしたものです)

 ・ほとんどいつも悲しんだり惨めな気分でいたりしますか?
 ・それまで楽しんでいた事への興味を失っていますか?
 ・性への関心を無くしていますか?
 ・無表情や無気力に見えますか?
 ・普段より,思考,動き,話し方がゆっくりしていますか?
 ・はっきりした理由がないのに,怖がっていますか?
 ・急にとても依存的になりましたか?
 ・身体のあちこちを移動する,漠然としてはっきりしない痛みを訴えますか?
 ・入浴,着替え,食事など自分の身体的なニーズに応えられていますか?簡単なことをするのに多大な労力を要していますか?
 ・発作的に泣き出したり,ほとんどいつも泣き出しそうですか?
 ・混乱していて忘れっぽくなっていますか?
 ・判断をくだすのが難しそうですか?
 ・疲れていて動揺しているように見えますか?
 ・睡眠がとれていませんか?
 ・ほとんどいつも疲れているように見えますか?
 ・眠っても休んだ感じをもてないでいますか?
 ・空しさや罪悪感を訴えますか?
 ・食欲がなくなっていますか?ダイエットをしていないのにかなり体重が減っていますか?(一ヶ月で体重の5%以上)
 ・突然むちゃ食いをしますか?
 ・自分には価値がないと言ったり,過度に,不適切なまでに悲観的になったりしますか?
 ・集中するのが困難そうに見えますか?
 ・死や自殺について繰り返し考えていますか?
 ・自殺を計画したり試みたりしたことはありますか?

 最初の2項目,およびその他の4つ質問項目,特に最後の質問が当てはまるのなら,うつ病の可能性があります。
 うつ病の診断が下される基準とは,まとめて言えば「二週間近くほとんど毎日,抑うつ気分が続き,食欲,睡眠,身体活動に変化が起こり,自殺を考える」というものです。